
最近よく耳にするようになったZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス、呼称「ゼッチ」)。リクルートの統計でも、ZEHの認知率は56.8%(2014年度:49%)と過半数を超えており、今後ZEHについてのお問合わせが増えることが予想できます。
こういった時流を踏まえ、この記事では2016年度のZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の最新補助金情報をお伝えします。
ZEHの定義が明らかになりました
これまで「使うエネルギーと創るエネルギー(以下、創エネ)の差がゼロ以下になる住宅=ZEH」と呼ばれてきましたが、あいまいな定義だったため、今回経済産業省が専門家たちを集めて、定義を定めました。簡単にまとめると、次の3つを満たす家と定義されました。
- 建物自体の断熱性能を高めること
- 効率の高い設備を採用すること
- 太陽光発電など、エネルギーを創る設備を備えること
ポイントは、使うエネルギーを単に創エネでまかなう家でなく、高い外皮性能(壁、屋根など)をもつ住宅をZEHと定めた点です。
参考: 経産省の定義
(引用元: 経済産業省 ZEHロードマップ検討委員会 とりまとめ)
【要約】
- 省エネ基準よりも、高い外皮であること
- 創エネをのぞき、消費エネルギーの削減率20%以上であること
- 都心などの狭い場所で太陽光発電を設置できない場合を想定し、削減率75%以上100%未満のものも「Nearly ZEH」として位置付ける
2016年度のZEH予算は110億円にまでUPしています
経済産業省は、2016年当初予算案で、ZEHを支援する「住宅・ビルの革新的省エネルギー技術導入促進事業費補助金」に110億円を計上しました。なお、この予算には、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)分も含まれています。
補助金は“ZEHビルダー”のみが申請できる
次に補助金をもらえる条件について、みていきましょう。これまでは建てた家がZEH基準を満たせば申請できました。でも2016年度からは、ZEHの普及に積極的な事業者として登録された工務店・ビルダーだけが補助を受けられるようになります。「たまたま1棟だけZEHを建てた」では、補助金をもらえないということです。裏を返すと、ZEHビルダーとして認められれば国のお墨付きを得ることができます。
補助金額は前回130万円/戸よりも少なくなるけど、蓄電地も補助対象になる
建物本体の補助金額はこれまで実施分の1戸あたり130万円よりも少なくなる予定ですが、新たに蓄電池も省エネから補助対象になるので、お得感は維持できそうです。
国が動くと、地方自治体も動く。すると、地方独自の補助金も期待できる
国がZEHの基準を決めたため、一般社団法人のような第三者機関による「ZEHビルダー認定制度」が始まることが予想できます。そうすると、地方自治体も国とは関係なく運用できるようになるため、地方自治体独自の補助金も増えることが期待できます。
まとめ
大事なことなのであらためてお伝えしますと、
- ZEHの認知率が56.8%と確実に増えている
- ZEHが経済産業省によって定義された
- ZEH補助金は、国の認定を受けた業者のみが可能
の3つがポイントです。ZEHがこれまで以上に身近になっていく変化の年。ZEHについての理解にお役立ちいただければ幸いです。
(ちなみに写真のモデルは横須賀基地日米親善ボディビルディングチャンピオンシップ ヘビー級優勝の「パルンボ井若」さんです。こう見えて歯科院長です。)
現在戸建て住宅を建築中です。
太陽光さえ載せれば、ZEH要件は十分満たすことが出来ますが計画していませんでした。
家が完成した直後(2016年11月)に太陽光を載せ、リフォームとしてZEH申請することは可能なのでしょうか。
また、現在建築している工務店はZEH認定ビルダーですが、太陽光は別の専門業者に依頼したいと考えています。
コメントありがとうございます。環境共創イニシアチブ(SII)に確認したところ、
・建物が完成する11月は、最終公募(6次)締め日の9月2日よりも後なため、申請が間に合いません
・仮に完成が早まり申請が間に合ったとしても、太陽光単独での申請では通りにくく、住宅全体の断熱リフォームやエアコン・エコキュートなどの最新設備の導入も併せて申請しないと厳しい
・太陽光の設置業者はZEH認定ビルダーでなくてよい
との回答でした。ご期待に沿える回答になりましたでしょうか。